初代TMAR-KCシリーズより初登場し、以降の新モデルではほとんどの機種に採用されているデジタルコントロール布押え(以下、DCP)。すでにDCP搭載モデルを使用されているユーザーさんも、これから刺繍機の導入を検討しているユーザーさんもDCPをどのように活用すればその効果を発揮するのか頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか。まずはこの動画を見てから考えて見ましょう。
この動画では従来の布押えでは針が抜けていくに従って、生地が画面上方に持ち上がっていくのに対して、DCPでは針が抜けきるまで布押えが生地をしっかり押えていることが確認できます。
この動画から分かることは「針が抜けにくい素材には特に効果が高そうだ」ということです。動画でも3mmの革を縫っていました。
このことから、DCPを搭載している刺繍機は動画のように革や硬い生地、厚物、帽子などの刺繍をする時に最も効果を感じられるのではないでしょうか。
また、これは動画を見れば理解していただけると思うのですが、DCPの生地の浮き上がりを抑えて安定した縫いを実現するという効果は薄い生地にも発揮されます。バタバタさせながら縫っているようにみえる従来の布押えと違い、DCPではしっかり固定して縫うことになるので薄い生地でも今までより安定した縫いを実現しているのです。しかし、薄手の生地ではあまり効果を感じることはないかもしれません。DCPを搭載している、搭載していないに関係なく、ユーザーの皆さんに使用していただいている刺繍機は何十項目に及ぶタジマの厳しい検査に合格して出荷されています。一般的と思われる素材ではどのモデルも一定の水準をクリアしているわけですし、刺繍の仕上がりに関して大きな差が見られないのはある意味当然のことなのかも知れません。
ただ、DCP搭載モデルと、従来モデルでは「刺繍機として持っている潜在能力は全く違うものである」ということはユーザーの皆様にも理解していただきたいですし、私たちも理解してもらえるように努力しなければならないと考えています。