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パルスクラウドは刺繍ビジネスのシーンを変えるか

パンチングソフト、TAJIMA DG/ML BY PULSEがバージョンアップしTAJIMA DG15 by PULSE(DG15)になった。私たちはこのソフトウェアを販売するために事前に情報を提供してもらっているのだが、刺繍データー作成ソフトとしてのDG15はOSがWindows10になることによるマイナーチェンジくらいにしか考えてない部分もあって、「DG15からクラウドシステムが導入される」と聞いても正直いって必要性があるのかなと疑問もあったのだが、『パルスクラウド』と呼ばれているこのクラウドシステムを実際に試してみるとこれまでのパンチングシステムの概念を覆す機能がいくつか搭載されていることがわかった。
そこで今回はこの『パルスクラウド』の可能性を考えてみようと思う。
さて、タジマのホームページにDG15の紹介ページがあるが、そこに掲載されている『パルスクラウド』の紹介は下記のとおりである。

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Tajima DG15 by Pulse(DG15)を使って、刺繍デザインを携帯!
業界をリードするDG15は、モバイル機器からのアクセスを実現。これからのビジネスの形態が変わるかもしれません。複数の機器からPulseCloud(パルスクラウド)サービスを介すことにより、デザインの作成、管理、閲覧を可能にします。デスクトップコンピューターからはもちろん、スマートホンやタブレットからでも、指先ひとつで、あなたのデザインにアクセスすることができます。

モバイル機器からいつでも管理、オンラインの資産を構築、閲覧も自由に
テンプレートを使えば、パルスクラウド上で新しいデザインの作成が可能です。クラウド技術が様々な共有性や移動性を実現します。出先から大切な刺繍データを安全に閲覧することが可能で、しかもその場で簡単に作業することができます。
パルスクラウドを使えば、その刺繍ビジネスの収益性や効率性を、即実感していただけるはずです。生産現場にいなくても、パルスクラウドが刺繍機の状態や作業の流れや工程を監視、納期遅れも解消されることでしょう。モバイル機器から、デザインを直接刺繍機へ送信することも可能です。

さて、この文章だけではイメージしにくい部分もあるし、正直なところ「そうかなあ?」と疑問に思う部分もあるが、それでも注目すべき点がいくつかある。
1.DG15で作った刺繍データーをデスクトップだけでなく、モバイル機器から閲覧できる。
2.パルスクラウド上で新しいデザインの作成が可能。
3.パルスクラウド上にある刺繍データーを直接刺繍機に送信することができる。

1.DG15で作った刺繍データーをデスクトップだけでなく、モバイル機器から閲覧できる。
この機能はDG15で作成した刺繍データーをパルスクラウドと共有することでDG15をインストールされていないPCやモバイル機器でも閲覧が可能になる。
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刺繍データーの閲覧画面。それぞれのファイル名をクリックすると詳細が表示される。

2.パルスクラウド上で新しいデザインの作成が可能。
ここでいうところの新しいデザインの作成とは、パルスクラウド上に登録されている刺繍データーからのテキスト編集が可能という意味であって、DG15と同じようにパンチングができるという意味ではないので注意が必要だ。パルスクラウドで私が実際にできた作業は文字の変更とフォントの変更、使用する糸の変更のみであって、レイアウトを変えたり、拡大縮小ができるということではない。
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パルスクラウドのテキスト編集画面。テキスト、フォント、糸の色・種類などの編集が可能だ。
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変種後は全く別のデザインとしてパルスクラウドに登録できる。

3.パルスクラウド上にある刺繍データーを直接刺繍機に送信することができる。
パルスクラウドに登録している刺繍データーはDG15と刺繍機がネットワーク接続されていれば、刺繍機に送信することができる。これまではDG15などの刺繍データー作成ソフトを介してのみ可能だった作業がパルスクラウド上から行えるようになることで利便性は格段に上がると思われる。現時点(平成28年7月21日)では弊社でも再現テストはできてないので紹介する画像や動画は次回以降の記事になるが、パルスクラウドがどのようなものであるのか紹介している動画があるのでそちらを掲載しておく。

パルスクラウドの活用方法

パルスクラウドは普及していけば様々な活用方法が見出されると思われるが、刺繍機の運用でこれまでと大きく異なるのではないかと思われるのはショップにおける、刺繍データー作成と刺繍機の活用だと思われる。基本的にネームが主体の刺繍シーンだと、オペレーターとしてコンピューターや刺繍機に張り付いていなくても良くなる。つまり、接客しながら刺繍機を運用することも可能なのではないだろうか。タブレットなどでパルスクラウドを使って顧客とディスカッションしながら刺繍デザインを作成し、その場で刺繍機に刺繍データーを送信・・・といった運用方法が容易に想像できるのある。もちろん、まだまだ改良の余地があるシステムであることは否めないが利便性の向上が図れることは間違いないとみて良いのではないだろうか。
私たちはパルスクラウドに旧態依然として変化のなかった刺繍データー作成ソフトと刺繍機の関係性に風穴を開けることのできるツールだと考えている。これからはDG15とパルスクラウドを活用した新しい刺繍加工のビジネスモデルを構築し、ユーザーの皆様にお伝えできるように努力していきたいと思う。

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